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他の国や人物と友好を深める目的で寄贈される人形。昭和初期に友情人形(日本では「[[青い目の人形]]」と呼ばれることが多い)がアメリカより寄贈され、それに対し答礼の人形が贈られた他、幾つかの事例がある。
 
他の国や人物と友好を深める目的で寄贈される人形。昭和初期に友情人形(日本では「[[青い目の人形]]」と呼ばれることが多い)がアメリカより寄贈され、それに対し答礼の人形が贈られた他、幾つかの事例がある。
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いわゆる[[性具]]の一種で、等身大の若い[[女性]]の形をした人形のこと。観賞や写真撮影の対象として扱われることもある。
  
 
== 人形に見る歴史(生活・風俗) ==
 
== 人形に見る歴史(生活・風俗) ==

2019年4月3日 (水) 12:11時点における版

人形(にんぎょう、ひとがた)は、狭義には人間の姿を、広義には人間以外の動物や架空の生物も含めて、それらの姿に似せて作られた物をさす。

人形の作成は、古くは先史時代から始まり、いずれの時代でも作られ、人間の文化活動の本質的なものであるといえる。

現代の人形の主な用途は、祭礼などの宗教行事や伝統行事、文楽などの人形劇で使われる他、玩具、土産物、芸術作品など、多分野である。

人形の使用目的

玩具としての用途の人形

古来、人形は子供の遊び道具として与えられ、使用された。日本各地に現在も存在する「郷土人形」は幼い子供の玩具として非常に大切にされた。日本では主に木製や土製の素材に胡粉などで着彩をした人形が多いが、工芸品として精巧に作られた物もあり、戦後からは美術品として扱われる郷土人形もある。江戸時代に普及した女児向けの人形に「姉様人形」がある。和紙と千代紙で造られた素朴だが優雅な人形は、裕福な武家や商家の子女に大切にされた。代表的な遊び方としては、人形を擬人化して日常生活を再現する「ままごとあそび」や、時代がかなり後の近代からは布製の「文化人形」で遊ぶことが普及した。人形の衣服を交換し組み合わせなどを楽しむ「着せ替えあそび」などは、戦後に日本全国で広まった。

現代での「着せ替えあそび」は、合成樹脂製のきせかえ人形で遊ぶ。後述のマネキンと類似し衣服を着せたり、脱衣の状態にできる場合が多い。複数の付属品の衣装があり、それはほぼ現実の人間の衣服に似せている。着脱には背面に付けられたマジックテープスナップを使う。大体、1960年代頃から生活の西洋化とともに普及し、製品にはシルバニアファミリーリカちゃん人形バービー人形などがある。高度経済成長と相まって、庶民のファッションの隆盛とともに人形の衣服も華やかさを増していった。

女児が母親の立場として育児を前提とする赤ちゃんに擬似した人形(授乳のための「ミルク飲み人形」やおむつ替えのための人形など)もある。

観賞人形

アンティーク・ドール日本人形のような伝統的な美術工芸品としての価値の高いものや、マトリョーシカこけしのように造形に特色のある工芸品の人形などは、ガラスケースなどに入れてインテリアとして飾ることもある。

日本では、雛祭り端午の節句のような伝統的な行事に特別につくられた美術価値の高い、人形を飾ることがならわしである。

祭礼用途の人形

古代では、人形は他人に呪いをかけるための呪詛の道具や、人間の身代わりに厄災を引き受けてくれる対象物として使われた。前者の例としては藁人形ブードゥー教の泥人形、後者の例では和紙の流し雛などが挙げられる。後者のうち、現代でも神道大祓等で用いられる和紙のものは、通常同じ字で「ひとがた」と呼び分けたり、「形代」(かたしろ)と称したりする。他にも、山車人形のように神などをかたどった人形が象徴として飾られる祭もある。

縁起かつぎとしての人形

幸福や商売繁盛などを導くために、七福神福助人形ビリケンなどを飾る風習がある。 また、結婚式の結納品として、夫婦円満や長寿を願うためにほうき(邪気を払う)と熊手(福をかき集める)[1]を持った老夫婦の高砂人形(お前百(=掃く)まで、わしゃ九十九まで(=熊手)、共に白髪の生えるまで)などもある。

商業用途の人形

洋服や呉服などの衣料品を販売する場で、商品を着用させて顧客に着用イメージを伝達する効果を目的にした人形が存在する。これらの衣料品販売店などで使用されるマネキン人形は衣服の展示や紹介を目的とし、美術のデッサンで使用されるデッサン人形などは人間のモデル代わりに用いることで手元でフォルムの確認ができることや、動作のないという利点がある。

また、特定の店舗(多くはチェーン店)のシンボルやメーカーの販促として人形が置かれることもある。不二家の「ペコちゃん」、佐藤製薬の「サトちゃん」、ケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース」、くいだおれの「くいだおれ太郎」、ジャパンの「さわやか親父」、すしざんまいの社長の等身大人形など。

かかし人形

農産物生産の現場(田んぼ等)で、作物を荒らすスズメツバメを追い払うためかかし人形が使われる。数体規模で立てられている場合が多い。近年はマネキンの流用であったり衣服に工夫が凝らされるなど、艶やかに多様化していて、コンテストを行っている自治体もある。

交通関連の人形

  • 工事現場では、交通誘導を促す電気仕掛けの人形があり、ライトを明滅させるだけでなく、腕を半円状に動かすものもある。
  • 交通安全キャンペーン
    • 歩行者飛び出し注意を促す目的として、児童アニメ作品の人気キャラクターを模した人形が使われている事がよくある。道路横断時の横断旗入れを兼ねていることもある。
    • 車の速度注意を促す目的として、警察官を模した人形が使われる事がよくある。

教育・訓練用途の人形

解剖学などで用いられる人体模型や、人命救助人工呼吸AED)や消防救助隊のための同様の体重の人間を搬送するための訓練用の人形にも使われている。

博物用途の人形

主に博物館における説明用に、当時の服装を着せたマネキンの役割を果たす人形があり、当時の人々の暮らしがどの様な物か再現する為の人形を使用する事がある。その殆どが等身大である。

考古学における人形

考古学における出土遺物としての人形には、祭祀用途の土偶や木製人形(ひとがた)、副葬品としての兵馬俑埴輪等があげられる。あるいは、火山の噴火で埋没したポンペイなどの都市で遺跡が発掘された際、空洞に石膏を流し込んで噴火当時の遺体の状況を再現する場合などにも用いられる。

収集目的の人形

戦後に日本で製作・販売された、ビニール製人形やブリキ製の人形などの玩具人形は、ビンテージ品を集めるマニアックな大人のコレクターも存在するなど、今では、価格ともども遊びの域を超える玩具人形がある。希少な人形(フィギュア)である場合、数十万円などの高値で取引される場合もある。

実験目的の人形

主に自動車の衝突実験等の時に、運転者や同乗者に見立てて車両に人形を乗せて、実験を行う事があり、ダミー人形と呼ばれる。他にも自動車に跳ね飛ばされた場合などに、身体のどの部分に大きなダメージが加わるかを実験する為に利用する事もある。

特撮目的の人形

テレビ番組映画の撮影において、人体に傷を負うシーンなどは簡単な特殊メイク特撮でカバーできるが、切断や転落、爆死、溶解などの人体を特撮でカバーできないものについては、ダミーで代用されることもある。

友好目的の人形

親善人形」も参照。

他の国や人物と友好を深める目的で寄贈される人形。昭和初期に友情人形(日本では「青い目の人形」と呼ばれることが多い)がアメリカより寄贈され、それに対し答礼の人形が贈られた他、幾つかの事例がある。

擬似性交目的の人形

ダッチワイフ」「ラブドール」も参照。

いわゆる性具の一種で、等身大の若い女性の形をした人形のこと。観賞や写真撮影の対象として扱われることもある。

人形に見る歴史(生活・風俗)

財団法人人形美術協会は、日本有数の古人形コレクションである「観方コレクション」を所蔵している。日本画家であり、風俗研究家であった吉川観方が、生涯をかけて蒐集した古人形の集大成こそ「観方(かんぽう)コレクション」である。 吉川観方により収集された人形コレクションは、宮家公家武家等に伝わった古典人形から、一般庶民の暮らしと共にあった素朴な郷土人形など種類も多岐にわたっており、質、量ともに日本随一である。観方コレクションは、儀礼用、愛玩用、装飾用、鑑賞用、美術工芸品というように幾つにも分かれ、平安時代から発展してきて江戸時代に至った、日本の人形の歴史がわかると同時に、人々の生活の歴史や風俗がうかがえる。コレクションは、伝来・製作年代・作者等が明らかなものも多く、人形美術協会ではこの貴重な文化遺産であるコレクションの保存と研究にも力を入れているという。

観方コレクションは、以下の9つの人形カテゴリーに分類収集されている。

  1. 古代人形(ひとがた)
  2. 御所人形
  3. 加茂人形
  4. 奈良人形
  5. 嵯峨人形
  6. 衣装人形
  7. 美女人形と役者人形
  8. 機巧(からくり)人形
  9. 土人形(つちにんぎょう)

関連項目

人形の種類

伝統的な和人形

操り人形

人形の商標

その他特殊な種類の人形など

人形を燃やすイベント(関連:en:Effigy

※祭礼以外にも、デモ集会などでの抗議のためにある特定の人物を象った人形を焼き討ちにする行為も行われている。

人形作家

人形に関連する概念

その他周辺概念など

派生事項

以下では「人形に題を取った作品」などを列挙する。「人形を用いたテレビ番組」などについては人形劇の項を参照されたい。

地名

東京都中央区日本橋人形町
かつて周辺で人形芝居が行われていた事や、人形を作るのに従事する人も多くいた事による。人形焼の発祥の地ともされる。
埼玉県さいたま市岩槻区
東武野田線岩槻駅東口を中心として雛人形を専門とする人形店が集積し、「人形のまち」として全国的に知られる。岩槻人形の名物としては特に雛人形、兜などの人形が有名である。これは日光東照宮造営に関わった職人が、名水井戸があったためその後岩槻にとどまり、江戸初期に始めたものと言われている。現在も岩槻駅周辺や人形町通り、市宿通りなどに人形店が軒を連ねる。
埼玉県鴻巣市人形
鴻巣雛(ひな人形)製造業者が軒を連ねていたことにちなむ[2]
人形峠
岡山県鳥取県県境に位置する。おとりの人形を使って化け物退治をしたという伝説による。

文学

音楽

脚注

  1. 高砂人形の由来 - 白木屋結納店・白木屋商店HP
  2. 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 (1980-07-08) 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 [ 角川日本地名大辞典 11 埼玉県 ] 角川書店 1980-07-08 4040011104 1043

外部リンク